頭金を入れる前に考えておくべきこと
こんにちは。
おうちの買い方相談室名古屋店のFP(ファイナンシャルプランナー)の木山翔太郎です。
今回はよくご質問をいただく、頭金について触れていきたいと思います。
当然、適切な金額というものがあるとは思うものの、どんな観点から考え、計算するべきなのか、住宅計画で失敗しないための大切なポイントです。
目次
1.頭金を入れる目的
2.頭金を入れる際の注意点
3.頭金を準備する前に考えておくべきこと
4.結論
1.頭金を入れる目的
1-1.頭金とは
頭金とは住宅購入総費用のうち、住宅ローン以外で支払う自己資金のことをいいます。
例えば、住宅購入総費用が3000万円だったと仮定して、住宅ローンが2500万円とする場合、残りの500万円が手出し部分になり、これが頭金(自己資金)になります。
1-2.頭金の入れることの効果
当たり前のことを言いますが、頭金を多く入れるほど、借入額が小さくなります。
例えば上記の住宅予算3000万円の計画で頭金の有無による効果の違いを計算してみると・・・・
条件:返済期間35年/金利0.55(変動金利の相場)
手元の500万円を頭金として住宅購入費用に充てた場合、住宅ローンの削減効果で、赤で色付けした利息額が圧縮されます。借入金利がより低い場合は利息の圧縮効果は小さくなり、逆に固定金利を選択されて金利が上がった場合などはより利息の圧縮効果も大きくなります。
また月々の返済額も大きく異なりますので、そちらもチェックポイントです。
1-3頭金はかつてほど重要ではない。
昔は頭金を準備することがとても大切でした。
過去の変動金利の推移を見てみると、今とは比較にならない高い金利が適用されていました。
金利が高ければ、頭金を入れることで得られる利息の圧縮額も大きくなり、準備できた頭金の金額で、住宅を建てるために掛かる費用も大きく変わりました。
しかしこの超低金利時代においては、得られる利息圧縮の効果は小さくなり、頭金をたくさん入れることが正解ではなくなりました。
2.頭金を入れる際の注意点
頭金を入れる場合、いくつか注意点があります。
その代表的な例について見ていきましょう。
2-1.頭金を入れすぎてしまうと住宅ローン控除の効果を削ってしまう。
現在、住宅購入者の方を支援する国の支援策として「住宅ローン控除」という制度があります。制度内容についてはここでは割愛させていただきますが、金融機関での借入金額に応じて、税金が戻ってくる制度です。この制度を利用する場合、借入金額が小さくなると、戻ってくる税金の額も小さくなるため、頭金を入れすぎてしまうとこの支援制度の効果を削減してしまいます。
2-2.住宅購入後のライフイベント資金でないか
将来的に所得の変化や大きな支出が控えている場合も注意が必要です。
よくある例としては「配偶者の出産・育児の世帯収入の変化」「教育資金準備」などが挙げられます。将来のイベントや環境の変化について、どのくらいの資金を確保しておく必要があるのかは世帯ごとの収入や生活水準、教育計画などで異なります。
こうした中長期を見据えた計画を立てる場合はライフプランニングを行うことが有効です。
住宅計画を成功させたい方は是非このライフプランを作成されることをおススメします。
2-3.お金を殖やすという選択肢
手元の資金を頭金として活用する方法とは別に、資産運用で殖やしていくという選択肢もあります。資産運用に取り組まれている方・これから取り組もうと考えている方は、どちらがより効率的な資産形成となるか考えておく必要があります。
3.頭金を今から準備する場合、考慮しておくこと。
もしあなたがこれから頭金を貯めようと考えている場合、いくつか留意しておく項目があります。
3-1.住宅価格の高騰
下記の表は2009年~2019年の住宅価格の推移をグラフ化したものです。
マンション、注文住宅、建売住宅、項目はいくつもありますが、いずれもこの10年間で価格が上昇しています。この10年間で住宅の性能も高くなっているので、それに伴って購入価格も高くなるのは当然ですが、頭金を貯めたあとに今と同じ値段でお家を買うことが出来るとは考えない方が良いでしょう。
3-2.お家が建つまでに掛かる家賃
頭金を貯めている間も家賃は発生します。
頭金が貯まるまでに支払う家賃が頭金の利息圧縮効果に見合ったものかどうか考えておく必要があります。
3-3.将来の金利
金利についても、現在の金利条件が将来も継続しているとは限りません。
せっかく頭金を貯めても、その頃に金利が上がってしまっていれば、せっかく貯めた頭金も意味をなしません。頭金を貯める際にはこのことについても念頭に入れておく必要があります。
5.結論
頭金の有無や、その金額が適当なものかどうかは、結局家庭ごとに異なってきます。
上記でお伝えしたことも、該当する方、しない方いらっしゃると思います。
これらについて適切な判断行うためにライフプランを作成する必要があります。
ご自身が思い描いている住宅計画が適切かどうか、課題がないのか確認したい方はおうちの買い方相談室 名古屋西店までお気軽にお問合せください。
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FP(ファイナンシャルプランナー)
木山 翔太郎